夏泊の海女
夏泊は鳥取市青谷町の北部に位置する地域です。夏泊の漁村集落は、板状の石が積み重なる石垣の上に多くの家が連なり、狭い道や石段で急傾地の構成をしています。「因幡・但馬岩石海岸の漁村集落」として、「日本遺産」にも登録されています。
この集落は、400年以上前、豊臣 秀吉の朝鮮出兵に伴い、鹿野城主亀井 玆矩(かめい これのり)の水先案内人を務めた筑前の漁師助右衛門が、その功績によりこの地を与えられ、漁師は初代助右衛門を号し夏泊の開祖となり網漁を、また、助右衛門の妻は素潜りが得意だったことから、海女の技法を伝えたことが夏泊海女漁の始まりとされています。
夏泊の海女漁が最も盛んだったのは1950年代と言われています。海女漁では、ワカメ、イガイ、岩ガキ、アワビなどを採っていました。その中でもワカメは、現在でも大人気の名産品です。また、イガイを用いた「イガイ飯」は郷土料理となっています。
海女漁は、海女の高齢化や後継者不足により、海女組合を2013年に解散いたしました。しかし、私たち「夏泊海女の会」が、「夏泊の海女」を復活させ、「夏泊の海女」の歴史とブランドを今後も守っていきたいと活動を始めました。
夏泊は海女漁以外に漁業も盛んで、白イカ漁の漁火は夏の風物詩となっています。また、夏泊の沖合には定置網が仕掛けてあり、定置網で獲れた魚は、「夏泊朝市」※で販売し、鮮度抜群の魚をお客様へ提供しています。
※夏泊朝市(開催日はご確認ください)